ブログのアクセス数を増やすためには、検索順位を上げるだけでなく検索ボリュームの大きいキーワードを狙う方が、検索1位を狙うより効率的なことが多いです。
検索ボリュームの大きさがどれほどアクセス数に影響を与えるのか。実際の数字でシミュレーションしてみた結果、アクセスを集めるには検索ボリューム=検索需要が重要であることが分かりました。
ブログのアクセス数=検索順位×キーワードボリューム
検索(SEO)からブログのアクセス数を増やす方法は主に2つあります。
- キーワードの検索順位を上げる
- 検索ボリュームの大きいキーワードを狙う(=表示回数を増やす)
検索順位を上げる=クリック率の増加
検索順位を上げるメリットは、クリック率の増加です。ごく自然な話ですが、検索順位が上がれば上がるほどたくさんの人の目に止まり、クリックされるということですね。
ふつうは検索順位の1位~3位までを”上位表示”と呼ぶことが多いですが、やはり検索1位のクリック率は2位以下と比べて頭一つ抜けています。特に急いでいる時はタイトルすら見ず、とりあえず検索1位の記事をクリックするというユーザーも多いです。
検索ボリュームの大きいキーワードを狙う
検索ボリュームは、どれだけの人がそのキーワードを検索するか?の意味で使われます。普通は月あたりの検索数として使われることが多いですが、検索ボリュームが多ければ多いほど、よりたくさんの人がそのキーワードで検索しているということになります。
その性質上、検索ボリュームの大きさは検索1位だけでなく2位以下の記事にも影響を与えます。例え自分の記事が検索1位でなかったとしても、検索ボリュームの大きいキーワードを狙うことでより多くのアクセスが見込めます。
※実際にブログへのアクセス数に影響を与えるのは検索ボリュームではなく自分のブログの表示回数です。ただし記事を書く前に見積もれるデータは検索ボリューム数なので、こちらの数字を計算に使います。
SEO対策として強調される「検索1位」
ブログのアクセス数を増やす方法はこのどちらかだけです。しかし自分が見ている限りだと、検索順位の方ばかりが注目され、検索ボリュームについてはあまり注目されていない印象があります。
ツールや教材の宣伝でも「〇個のキーワードで検索1位を達成!」という風に、検索順位だけが実績として使われることがほとんど。外注ライターの実績としても”検索1位”だけが強調され、どれぐらいの検索ボリュームがあるKWなのかは話題にすら上がらないことも多々あります。
しかし実際には、検索順位と検索ボリューム、この両方を同時に対策していく必要があります。検索数0のキーワードで1位を取っても、ブログのアクセス数は変わりませんよね。
リライトで検索順位アップvs検索ボリューム大のキーワード狙い
アクセス数を上げる方法としてよく聞くのは「リライトをくり返して価値を上げ、検索順位のアップを狙う」こと。これはこれで正しいのですが、実際に検索1位を取るのはかなり大変ですよね。
何度リライトしても順位が変わらないのはもちろん、下がるケースまであります。キーワードによっては検索1位どころか3ページぐらいまでライバルで埋まっていることも珍しくありません。
しかも今のグーグルは、記事の質だけで順位を決めているわけでもありません。いくら記事をリライトしても、ドメイン評価が原因でなかなか順位が上がらない…ということもよくあります。
関連記事:質の高いブログ記事を書いても稼げない理由とは?検索1位の秘訣はグーグルへの発言力
この対策の一つとして、ライバルのいないキーワードを狙う方法もあります。ニッチなキーワードを狙う、ずらしキーワード等がこの方法に当たりますが、これも全てのキーワードで使える方法ではありません。
特定のキーワードにこだわると、この様にどうしようもないケースに陥ることは多いです。しかし本来の目的は「どうやればアクセス数を増やせるのか?」なので、検索1位が取れなくても検索ボリュームの大きいキーワードを狙うことで解決できることもあります。
そうなると、次の問題は「検索順位を上げるのと、検索ボリュームが大きいKW狙い」、どちらが効率的なのか。記事の続きでは実際の数字でシミュレーションしてみようと思います。
検索ボリュームがアクセス数に与える影響をシミュレーション
検証するのに必要なデータは次の2つです。
- 検索順位ごとのクリック率
- 検索ボリューム数
検索順位ごとのクリック率
検索順位とクリック率のデータはすでに調査されたデータがあるので、その数字をそのまま使います。色々と細かい条件でクリック率も変わるようなので、ここでは2ケース検証することにしました。
ケース1
- 13.94%
- 7.52%
- 4.68%
- 3.91%
- 2.98%
- 2.42%
- 2.06%
- 1.78%
- 1.46%
- 1.32%
ケース2
- 28.5%
- 15.7%
- 11.0%
- 8.0%
- 7.2%
- 5.1%
- 4.0%
- 3.2%
- 2.8%
- 2.5%
両方のデータでクリック率にずいぶんと差がありますが、大きな原因は
- キーワード数の違い(170億と8,000万)
- インプレッション数(7,500億以上と数十億)
- 国ごとの調査か、そうでないか
などが考えられます。
ちなみに右(スマホでは下)のグラフ(SISTRIXの調査結果)のリンク先ではさらに細かい条件(グーグル広告あり、強調スニペット、サイトリンクの有無、etc…)のデータが出ていますが、それにより1位から10位の数字は大きく変わります。
細かいところを突き詰めると結局はケースバイケースになってしまいますが、全体の傾向は変わらないとのことなのでもっとも簡単なケースのみ扱うことにします。
検索ボリューム100~10000で計算した結果
検索ボリューム数100、1,000、10,000で順位ごとのアクセス数を計算した結果がこちらです(小数点は切り捨て)。
※実際には検索ボリュームではなく表示回数を使って計算すべきですが、検索ボリュームと表示回数はほぼ一致するとのことなので、そのまま使用。
検索ボリュームが10倍、100倍になるとアクセス数も同じように10倍~100倍。これは当然ですが、ここで注目したいのは検索ボリュームが増えたときの数字です。
例えば「検索ボリューム1000,7位」でのアクセス数は20 or 40ですが、これは「検索ボリューム100,1位」の時のアクセス数(13 or 28)よりも多いですよね。
もっと下の順位でも比べてみましょう。
例えば「検索ボリューム10000,9位」のアクセス数は146 or 280。一方で「検索ボリューム1000,1位」のアクセス数は(139 or 285)、ほぼ同じです。
これが何を意味するか。検索ボリュームが小さいキーワードで1位を取れなくても、より検索ボリュームの大きいキーワードを狙えば同じレベルのアクセス数は下の順位でも取れるということです。
ここでは検索7位と9位を例にして説明しましたが、これが10位になるとさすがに検索1位には負けますね。それでも差は10%ぐらいしかありませんし、検索1位を取ることの大変さを考えるとかなり割がいいのではないでしょうか。
仮に5位~6位にでもなれば、検索ボリュームが少ないキーワードで検索1位を取ったよりも、アクセス数は完全に増えています。これも計算してみましたが、数字だと約1.7倍~2.5倍でした。検索1位を取るのは難しくても、5位や6位を取るだけで2倍前後のアクセス数になるというのは驚きの結果です。
せっかくデータがあるので、検索1ページ目(1位~10位)だけでなく2ページ目(11位~20位)まで見てみましょう。クリック率のデータはケース1しかありませんが、同じように検索ボリュームごとに計算した結果がこちらです。
さっきと同じように比べてみると、検索11位~14位あたりでのアクセス数はほぼ同じ~少ないのですが、検索15位から先は逆にアクセス数が増えているという逆転現象が起きていることが分かりました。意外な結果です。
この逆転現象が起きる理由は、検索14位からのクリック率の増加。何かミスをやらかしたかな?と一瞬わたしも焦りましたが、ページクリック率(CTR)の元データでは日本だけでなく他の国(アメリカ、イギリス、カナダ、インド)でも同じ傾向だったので、間違いではなさそうです。
検索ボリュームの大きいキーワードなら1位どころか検索1ページ目すら狙う必要はないのでは?という中々ショッキングな結果になりました。
とは言っても、わざと狙って検索15位~20位にランクインさせるのはさすがに難しいはず。しかし少なくとも、1位にこだわるぐらいなら検索ボリュームの大きいキーワードを狙った方が、アクセス数が増えるチャンスはずっと多い、とは言えそうです。
検索ボリュームの大きいキーワードを狙って競争を避ける
実際の数字を使ってシミュレーションしてみたところ、検索1位を狙うよりも検索ボリューム数(表示回数)を意識してキーワードを選んだ方が、アクセス数は増やしやすいということが分かりました。特に2ページ目でも検索1位の時のアクセス数を越える可能性がある、というのは大きいと思います。
検索ボリューム、元をたどると検索需要がいかに大事かということですね。
今回の結果はクリック率に影響を与えるもの(グーグル広告、デスクトップorモバイル、強調スニペット etc…)は全て無い時のデータで計算したので、実際に記事を書いて比較してみるとまた違った数字がでると思います。
ただしどの場合もクリック率の傾向はほぼ変わりません。どれぐらい効率がいいのか?は変わっても、検索ボリュームの大きいキーワードを狙った方が、多くのケースでは効率的でしょう。
特別な事情がなければ、検索需要の大きい記事ネタ=検索ボリュームの大きいキーワードを積極的に狙っていった方がブログのアクセス数、ひいては収益アップに繋がりやすいはずです。
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