ブログ記事のクリック率は検索順位に大きく影響を受けますが、タイトルの付け方次第で記事のクリック率は大きく上げることができます。
タイトルの付け方、工夫によって検索からのクリック率がどれくらい変わるのか?また、クリック率を上げるためのタイトル差別化のコツを紹介します。
ブログタイトルの付け方でクリック率はどれくらい上がるか
検索順位が高い場合
ブログ記事のクリック率に影響を与える要素はいくつかありますが、タイトルの付け方でクリック率がどれくらい変わるのか?まずは生データを紹介します。
こちらの画像はグーグルサーチコンソールのデータを編集したものです。私の別サイトから取り出したデータですが、1年以上のデータを集計しています。
画像にも書いていますが、出てくる数字の意味は次の通りです。(左から順番に)
- クリック数
- 表示回数
- クリック率(%)
- 平均の検索順位

検索上位を取れている検索クエリがいくつかありますが、その中でも特にクリック率が高く、表示回数もそこそこ多いのは赤枠で囲った3つのうち、下2つです。
拡大したものがこちら。

それぞれの数字は
- クリック数14531–クリック率54.6%–平均の検索順位1位
- クリック数19947–クリック率36.3%–平均の検索順位2.4位
となっています。
seoClarityやSISTRIXによると、検索1位のクリック率は14~30%、検索2位だと8~15%ぐらいとのことです。統計データと比べると、だいたい2~3.5倍ぐらいのクリック率になっていますね。
検索の表示回数が2万~5万回なのでPV数としてはそこそこですが、タイトルの付け方一つ工夫するだけで平均のクリック率からこれだけ大きく変わるのは驚きです。
検索順位が低い(1ページ目下)の場合
検索順位が低めのクエリについても見てみましょう。例によって、そこそこの表示回数(検索ボリューム)があるものを取り上げています。
- クリック数51,086–クリック率26.8%–平均の検索順位7.3位

統計データによると、検索7位でのクリック率は2~4%ぐらいでした。比べると6倍~13倍の差が付いていますが、1ページ目の下あたりでも2桁のクリック率が出ているのはかなりタイトル付けが上手くいったケースと言ってもよさそうです。
検索上位を取れなくても、タイトルの付け方次第で順位が低くてもPV数は大きく伸ばせることが分かったのは大きな収穫です。
検索ボリュームの大きさをキープしつつ1位を取るのはなかなか大変。SEO対策をしながら検索上位を狙うのは大前提ですが、手っ取り早くPV数を伸ばすためには記事タイトルの付け方を改善した方が効果があるでしょう。
少し話が変わりますが、検索1位を目指してクリック率を上げるのか、検索数の表示回数が大きいキーワードを狙うのか。PVを増やすためにはどちらも狙っていきたいですが、どちらがより効果的なのか?を調べるには実際の数字を使ってみるのが一番分かりやすいです。
こちらの記事ではいくつかのパターンを計算してみたので、気になる方はどうぞ。
関連記事:検索1位の競争を避け表示回数の多いキーワードでアクセス数を増やすブログ戦略
ブログのクリック率を上げるタイトルの付け方
凝ったブログタイトルを付ける最大の目的は、当然ですが検索結果から自分の記事をクリックしてもらうためです。
もちろんブログ記事の中身を分かりやすく伝えるという目的もありますが、記事のクリック率を上げるためにはタイトルの見せ方、具体的にはユーザー目線でタイトルがどのように見えているかを意識する必要があります。
ここでいうユーザー目線≒検索画面上という意味ですが、クリック率を上げるタイトル付けのヒントは実際の検索画面に隠れています。
ライバル記事と同じ表現は使わない
当たり前の話かも知れませんが、ブログ記事のタイトルは他のライバル記事のタイトルと比較されます。なので、タイトルの決め方が分からないという場合はまず他の記事タイトルをチェックすることから始めるのがいいと思います。
検索ユーザーのほとんどはとりあえず検索1位の記事タイトルをクリックするかと思います。しかし1位の記事で満足できなかった場合は検索ページに戻り、2位、3位と下のタイトルをクリックすることになります。
あるいはいきなり1位をクリックせず、最初からSERP上で全ての記事タイトルをざっと一通り見てからブログ記事を読む人もいるはずです。もちろん別のキーワードを入れて再検索するユーザーも中にはいますが、それはここでは除外します。
いずれにしても、どこかのタイミングでブログ読者はそれぞれの記事タイトルをお互いに比べます。
そうなると、他のライバル記事と同じ表現を使わないようにすることが、タイトルのクリック率を上げる第一歩になります。検索キーワードが被るのは仕方ありませんが、それ以外の部分はできるだけライバルと被らないようにした方が、クリック率は上がりやすくなります。
検索キーワードとは別に、読者の目を引くための定番フレーズというのはいくつもあります。それだけで何冊も本が出ているぐらいですが、その定番フレーズがライバル記事と被ってしまえばどうなるでしょうか?
定番フレーズを使いすぎてライバルと似たような記事タイトルになれば、ユーザー目線での違いはほとんどなくなります。同じようなブログ記事のタイトルが並んでいるなら、とりあえず検索1位から順番にクリックするのがユーザーにとって自然な行動だと言えます。
そういう状況では、後はほとんどがドメイン勝負です。そうではなくタイトルの独自性でライバル記事と勝負するなら、ライバル記事のタイトルで使われている表現はできるだけ避けるのが重要です。
タイトル文字数はキーワードの検索表示に合わせる
ブログ記事のタイトルがどこまで検索結果に表示されるかも知っておく必要があります。ライバルの記事タイトルで使われている表現を避けて差別化しても、その部分が検索結果に表示されなければ意味がありません。
タイトルの長さについては大体30文字弱~40文字前後がいいと言われています。この記事を書いた2023年現在ではパソコンだとタイトルのうち30文字ぐらいまで表示されます。スマホだともう少し長く、32文字ぐらいまでは表示されます。
タイトルの何文字目まで表示されるかは、タイトルで使われる文字でも変わります。全角なのか半角なのか、ひらがな・カタカナ・漢字など文字を入れるか!や?などの記号を入れるかによっても1~3文字ぐらいは前後します。
それ以上タイトルが長くなると「…」で省略されてしまいますが、SERP上に表示される文字数はグーグルの調整によって変わる上、スマホの場合はユーザーが使っているスマホ画面の大きさによっても変わります。
また、ツイッターなどSNS上で発信してアクセスを集める場合は、それぞれのSNS上で表示される文字数のことも考えておく必要があります。
そのため、SERP上で表示される最新の文字数や、自分が使っているSNSで何文字まで表示されるかは常にチェックしておく必要があります。一般的には検索キーワードやタイトル差別化のための表現はタイトルの30文字ぐらいを目安にしておくと、ちょうどよく収まることが多いです。
ブログ読者が知っている情報をイメージする
タイトル付けに限った話ではありませんが、読者がブログで扱っている内容についてどこまで知っているかによって、ブログ記事の書き方を変えないといけません。
いわゆるペルソナが重要という話ですが、ここで注目すべきは読者が抱えている悩みや人物プロフィールの設定ではなく、ブログ読者が持っている情報・知識の量です。
今回の記事テーマであるクリック率を上げる秘訣はライバル記事との差別化ですが、そのためにはただキーワードを並べるだけでなく、注目を引く一文を最低でも1つは入れる必要があります。
注目を引く一文、目を引く表現の付け方にもいくつかパターンがあるのですが、そのパターンが読者の持っている情報量によって変わるということですね。
話し言葉やコメント風にして見た目を面白くする
例えば初心者向けのブログ記事の場合はタイトルに入れるフレーズも一般向け、どうしてもありきたりなタイトルになりがちです。同じことを分かりやすく言いかえるためには、どうしても一つ一つの表現が長くなってしまいます。その結果、タイトルも長くなりがちです。
経験上、この場合はタイトルに込められた情報量ではなく、タイトルを一目見たときの面白さを意識してタイトルを付けた方がクリック率が上がることが多いです。
例えば、かっこ「」を使ってコメント風にしてみたり、かっこ【】をタイトル先頭に入れてキーワードを強制的に目立たせるといった方法ですね。どちらかと言うとツイッターやFacebookなどSNS向けのやり方です。
もちろん、タイトルの30文字目までにキーワードや差別化のための文章を入れないと意味がありません。かっこ「」を使うなら途中で途切れてしまわないように、SERP上での見え方をよく確認する必要があります。
一つ一つの表現を短くして情報量を増やす
一方で中級者以上、ある程度知識のある人をターゲットにした記事では、タイトルにできるだけ多くの情報を入れ、タイトルの情報量でライバル記事と差を付けるという方法があります。
もし専門用語がある場合は、専門用語を使うことでタイトルの文字数をさらに短くすることもできます。同じ目的で使われているテクニックとしては、数字を入れる、体言止め、つなぎ言葉や助詞(てにをは等)を省くなどですね。
専門用語がなくても、「役立つ⇔お得」「メリット⇔利点」など、(ほぼ)同じ意味で文字数が少ない単語を代わりに使うことで、一つ一つの表現を圧縮することができます。
特に数字を入れた方がいいというのは、色々なライティングの本で出てきますよね。その理由については諸説ありますが、目的はタイトルに入れる情報量を増やすためだと思います。数字はたった1~2文字で詳しい情報を伝えられるので、使える時はぜひ使うことをオススメします。
単語、フレーズの言い換えで削れる文字数はせいぜい1~2文字ですが、塵も積もれば山となるというように、一つ一つ積み重ねていけば一回で合計3~4文字ぐらいは圧縮できるはずです。
タイトルにかっこ「」を入れて読者の目を引かせる方法を紹介しましたが、かっこ「」などの記号にSEO上のメリットは特にありません。なのでタイトルの文字数を2文字も記号で消費するというのはデメリットともいえるため、とりあえずかっこ「」を入れるぐらいなら外しても全く問題ありません。
それならかっこ「」の2文字を使ってさらに単語を増やすことで、タイトルの情報量を増やすことができます。それがライバル記事との差に繋がるということですね。
漢字、カタカナ、ひらがなのバランスをとる
これもタイトル付けに限った話ではありませんが、ひらがな・カタカナ・漢字のバランスを取ることもクリック率の向上につながります。
ひらがな、カタカナ、漢字、同じものが続くと途端に見づらくなります。見た目が分かりづらい⇒タイトルの意味が伝わらない⇒ユーザーに無視されるという負の連鎖が起こるので、それを避けるためのバランス調整ということですね。漢字が続くなら助詞(ひらがな)を入れる、逆にひらがなが続く場合はカタカナや漢字を入れて区切るという風に、パッと見の見やすさを整えることが重要です。
文字数制限を考えると助詞などはできるだけ減らした方がいいのですが、タイトルの見づらさは思っている以上にクリック率に悪影響を与えます。文字数が多少増えることは仕方ないと割り切って、タイトルを見やすくした方がクリック率は上がりやすいかと思います。
以上、記事のクリック率を上げるためのタイトルの付け方について紹介しましたが、タイトル変更は少し頑張るだけでブログのPV数を大きく増やせる可能性があります。
キーワードを丸ごと変えるなどの大きな変更はグーグルも推奨していませんが、効率よくブログ収益を伸ばしたいと思ったなら、ぜひ一度腰を据えてタイトル変更にチャレンジしてみることをオススメします。
もっと根本からブログ戦略を見直す必要があると感じている人は、こちらの記事もどうぞ。
関連記事:ブログで稼げない原因がジャンル選びではなく情報格差である理由
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